鍼灸と気持ちのお話

こんにちは、はり灸いとぐちです。

朝晩の気温差が大きくなってきました。

風邪などひかれていませんか?

 

今日は「気持ち」と鍼灸のお話をしたいと思います。

 

昔から「病は気から」という言葉がありますが

治療をしていても、自分が治療を受けていても実感する

言葉です。

 

物事には良い面と悪い面と両方存在します。

良い面とか悪い面というよりは、どこから

見るかによって、様々な見え方、考え方があります。

自分にとって悪い方にばかり注目してしまう

というのは、それだけ心配性だったり物事に

慎重に対応する人に多いように思います。

それはリスク管理するのに必要な能力ですが

その分、気苦労も多くなりがちです。

 

以前のブログで、感情と病気について東洋医学の

考え方を書いたことがありました。

心と身体は一つであり、切り離して考えないという

お話でした。

 

「鍼をした後は穏やかな気分になります」

「重い気分だったのが気持ちも楽になりました」

鍼灸治療後に、そのような感想をいただくことがあります。

 

鍼灸では「気」の流れを整えるのも治療のポイントです。

身体の中の「気」が滞っている時というのは

気持ちがふさいだり、イライラしたりしがちです。

その流れが良くなると自然と気持ちも落ち着いてきます。

 

逆に治療をしようとしても治療に対して「怖いなぁ」

「嫌だなぁ」と不安に思っている方は身体が鍼を

拒否しているように感じることもあります。

 

何度かお伝えしてきましたが、鍼灸治療は自らの力に

働きかけて身体の反応を引き出すものです。

ですので、治療を受ける方の気持ちというのも大切です。

いかに気持ち良く治療を受けていただくか、というのが

大事です。

 

初めて鍼灸治療を受けられる方には、なるべく緊張されない

ように特に気をつけてご説明するように心がけています。

何より大切なのは、リラックスして受けていただくこと

です。

 

治療をしてみて、刺さない方が良いと判断した場合には

接触するだけの「てい鍼」という方法に変えることもあります。

身体が反応するのに必要な刺激量というのは人ぞれぞれです。

「気持ち良い」と思ってもらえると、身体も良い方向に反応します。

身体が楽になると気持ちも軽くなり、気持ちが軽くなると

身体が楽になる、というのは連動しています。

 

言うは易しですが、その方その方にピタリと合う鍼をするのは

なかなか難しいことでもあり、日々精進中の身です。

ただ「鍼は怖い」というイメージから「鍼は気持ち良い」という

イメージに変わるように、これからも工夫をしていきたいなぁと

思っています。