こんにちは、はり灸いとぐちです。
今日はバスの中で小耳に挟んだ昔のお話です。
高齢のご婦人方が、昔は食べ物や薬もなかったという
お話をされていました。私はその方達の前に立っていた
のですが、そのお話が興味深くて、ついつい聞き耳を立てて
しまいました。
背中にイボが出来た時にドクダミの葉を貼って治したお話。
赤ちゃんが手の皮が剥れるほどの火傷をして囲炉裏の炭と
小麦粉の湿布で治したお話。
ヨモギの葉をすりつぶして、薬として飲んでいたお話。
昔は何か身体に不調があってもお祖母ちゃんが薬草などを
取ってきてそれで治していたというお話。
どれも「ほほぅ」という実体験の昔の手当てのお話でした。
いわゆる民間療法というもので、今ならもっと良いお薬や
処置法があるでしょう。
でも現代のように物もなく、簡単に病院にも行けなかった時代に
昔の人が工夫をしてきた、生き抜くための知恵と努力の結果が
受け継がれてきた民間療法なんだろうと思います。
「そういう時代を生き抜いてきたから今があるんよね」と
おっしゃった言葉に重みを感じました。
平均寿命が50歳を超えるのは戦後になってからです。
乳児の死亡率も高く、昭和の初期はおよそ10人に1人は
1年以内に亡くなるという時代。
厳しい環境を生き抜いてきた人々がいて、そのおかげで
今の私もいるのだなぁと。
高齢の方々で満員のバスに揺られながら、人生の達人に
囲まれているような気分になった朝でした。