鍼の効果の現れ方の違いについて

こんにちは、はり灸いとぐちです。

前回のブログに続いて鍼の効果の現れ方について

少しお話したいと思います。

鍼灸治療の効果は1回でどれくらい効くの?

これは治療を受けられる方が一番関心のあることかと

思いますが、聞かれる方としては、どのようにお答えするか

難しいご質問です。

それは人によっても違いますし、その時の症状によっても

違ってくるからです。

もちろん、施術する側の技術の問題も大きいのですが。。。

施術する側の腕の問題以外で、治療後の効果に差があるとすれば、

一般的には急性の症状は治りやすく、慢性的な症状は時間がかかる

ことが多いです。

例えば「今朝寝違えたみたいで首が回りません」という場合。

寝違えの症状はその場である程度すぐ良くなるでしょう。

ただ「よく寝違えるんです」という場合は繰り返す原因があるかと

思います。

それは生活習慣や姿勢などの問題もあるでしょうし、長い時間を

かけて凝り固まった身体の癖を解きほぐすのは時間がかかります。

「アレルギー体質を変えたい」

「すぐ疲れるのを何とかしたい」

このように体質を変える治療も時間がかかります。

体質を変えるには治療を受けるだけではなく、生活習慣の見直し

なども大切です。

治療は、その時その時の辛い症状を取っていくことが基本になります。

それと同時に、その人が普段から抱えている弱い部分を補ったり

滞っているところの流れを良くしたり、溜まっているものを排出

出来るようにしていきます。

そうしているうちに「そう言えば最近疲れにくくなったなあ」と

気づくような緩やかな変化のことが多いです。

1回の治療で「あれから全然疲れなくなった」というのは珍しいと

思います。

私は幼少期からアレルギー体質で、杉とヒノキの花粉症もあります。

以前は毎年薬を飲まないと夜は鼻が詰まって眠れなかったのですが

鍼をするようになってから、薬は服用せずに過ごしています。

花粉の飛ぶ量や、その時の自分の体調などにより、軽い年と辛い年の

波はあるのですが、相対的には徐々に軽くなっています。

前々回のブログで、すぐに出る効果と時間が経ってから出る効果がある

とお話しましたが、身体には元々、自ら良くなろうとする力があります。

自然治癒力というものですが、鍼灸はその力にアプローチするものです。

そして前回のブログで、鍼灸治療は「疾患」ではなく「人」に

アプローチするものだとお話しました。

それぞれ人には、今まで生きてきた色々な経験があり考え方があり

それに基づいた生活習慣があります。もともとの性格や体質もあるでしょう。

それに合わせて出てくる身体の反応は様々で、すぐ出てくる場合もあれば

時間のかかる場合もあります。

ただ、自分では変化が実感出来ない時でも、鍼やお灸をすることにより

身体には刺激が伝わっています。

その身体の力を信じてみることが、次の効果につながります。

自分の身体の変化に関心を向けること。

それがまずは自分の身体のケアの一番重要な一歩かなと思います。

鍼の効果について、色々と長々とお話してきました。

効果についてはこれで終わりなのですが、関連するお話として

東洋医学の考え方についても機会があれば、またお話ししたいと思います。