こんにちは、はり灸いとぐちです。
珍しく続きものです。
鍼の効果について最近聞かれることが多いので
何回かに分けて、お話したいと思っています。
前回、鍼をした後は身体が反応して便や尿などが
普段より出ることがあるとお伝えしました。
鍼をすれば、身体の中の悪いものを排出しようとする
反応が起こることがあるからです。
今回のお話は具体的にどのような疾患に対して
鍼灸治療が有効なのかということです。
結論から言うと、どのような疾患に対しても
基本的には治療は可能です。
鍼灸は基本的には「疾患」に対して治療をしません。
その人のその時の症状に対して身体の反応を引き出す
ものです。ですので、どのような症状に対しても
治療をすることは可能です。
医学は日々進化をしていますが、西洋医学が得意な
分野と東洋医学が得意な分野がそれぞれあります。
例えば「癌」と言えば一昔前は不治の病の代表でしたが
今ではそれも変わってきています。
早期発見であれば手術して治す方が確実に生存率は
高くなります。
ただ、手術後の弱った身体のケアには西洋医学より
東洋医学の方が向いているように思います。
自律神経症状やホルモンのバランスを調整したり
身体全体のケアが必要な場合には、自然治癒力に
アプローチしてバランスを整える東洋医学が
効果的なことが多いのです。
WHO(世界保健機構)が認めた鍼灸治療の適応疾患は
肩コリ関節痛などの運動器系、胃炎、十二指腸潰瘍などの
消化器系から循環器系、神経系、内分泌系、呼吸器系、
泌尿器系、婦人科系、小児科系、など多岐にわたります。
西洋医学は専門化し、それぞれ細かく症状によって
受診する科が違うのが基本ですが、一人の人の症状として
全体を診る東洋医学では「肩コリと胃腸の調子の関係」も
同じ一連の原因として診ることがあります。
その人がどのように今まで生活してきたか、何が原因で
今の症状が出ているか、というのを紐解きながら治療を
していきます。
そのような意味では、鍼灸は「病気」に対してではなく
その「人」に対して向き合う治療になります。
ですので、その効果の現れ方には、人によっても違いが
出てくるのです。
次回は効果の現れ方について、お話したいと思います。
長々ですがもう少し、お付き合いください。