こんにちは、はり灸いとぐちです。
最近、鍼灸のことがテレビで取り上げられる機会が増えてきました。その度に気づいた人から「今、テレビで鍼のことやってるよー」と情報をいただくのですが、毎回見逃してばかりいました。
そして2/20はNHKの「ためしてガッテン」という番組で「東洋の神秘『はり治療』SP」というのをやっていまして、先週からチェックをして、やっと観ることが出来ました。
テレビに出ていた明治国際医療大学の伊藤先生は、私が尊敬する鍼灸師の先生のお一人です。科学的に証明出来ないことも多い鍼灸の世界を、なるべく科学的に説明出来る部分で、わかりやすくテレビで伝えようとした番組の内容だったと思います。
ただ、先生も番組でおっしゃっていましたが「鍼灸をして良くなった」という現象は見られても、今の科学では証明出来ない側面もあり、そこはこれから研究が必要なところです。
その「科学では証明出来ない」ということは「なんだか怪しい」と思われがちな鍼灸のイメージの一面でもあるし、今の科学ではどうしようもないと言われている病態に対する鍼灸の可能性の一面でもあると思います。
私自身が東洋医学の世界に興味を持つようになり勉強し始めて思うのは、病気のとらえ方が西洋医学と東洋医学では大きく違うということです。
西洋医学では病気は基本的にはパーツごと(部品)に分かれています。例えば病院に行き「胃もたれと頭痛」という症状を訴えれば、頭痛には頭痛薬、胃もたれには胃の薬が処方されます。
一方東洋医学では「胃もたれと頭痛」という症状の両方をひとつの病態としてとらえます。暴飲暴食により胃の中が荒れていて消化が悪くなりガスが発生し、それが上にあがり頭痛を起こしている、というように一連の体の反応として今ある症状に対してアプローチしていきます。
東洋医学の診断では、病気と関連がなさそうな過去のことや性格のことも含めて、問診の際に色々と伺うことがあります。病気というのは、何かはっきりしたひとつの原因があって起こるものよりも、様々な要因が複合的に重なって現れている現象である場合が多いです。
その人が生きてきた環境、生活習慣、性格、家族構成など、病気と向き合うということは、その人の生き方と向き合うようなものだと感じています。
テレビでやっていたように、鍼1本でスッと治るような治療ばかりではないのですが、鍼灸治療を受けて良かったと思う人が少しでも増えていくように、日々日々、精進中です。