こんにちは、はり灸いとぐちです。
今日はお灸が持つ可能性のお話です。
皆さんは「モクサアフリカ」というイギリスのチャリティー団体を
ご存じでしょうか?
その団体の代表はイギリス人の先生ですが、日本式のお灸をアフリカで
広める研究と活動をされています。
結核は日本では過去の病気のようにも思われがちですが、世界全体で
みると死亡原因となる感染症の第1位で、亡くなる多くが貧困国の人々です。
現在は結核に対する薬やワクチンもありますが、アフリカなどの貧困国では
結核の発症率の高さは変わっていません。
結核は結核菌に感染したら、必ず発症するという病気ではありません。
世界では20億人の人がすでに結核に感染しています。
ですが、結核菌に感染していても通常の免疫状態であれば90%の人は
発病しません。アフリカなどの貧困国で結核の発症率が高いのは
栄養状態や生活環境が良くないからです。貧困の問題が結核を流行させる
原因になっているのに加えて、AIDS(エイズ)の問題もあります。
AIDSが発症すると免疫機能が低下するので結核を発症する率も高くなります。
そして結核の治療は非常にお金がかかります。薬があっても治療出来ないという
現実もあります。
そのようなアフリカで免疫力をあげるために取り入れたのが、日本式のお灸です。
足三里というツボに直接毎日お灸をするという方法を、現地の医療従事者を
通じて患者さんに伝授した結果、体力や食欲が回復したり、薬の副作用による
痛みなどを軽減させるという効果がありました。
今後も詳しいデータを取りながら、感染症に対してお灸がどのような効果が
あるのか研究が進められています。
結核とAIDSにお灸が効くというのは、大きな発見につながる研究です。
イギリス人が広めてくれた日本のお灸がアフリカから、さらに世界へと広がる
可能性があります。
日本でもお灸がさらに身近な存在になれば良いなと思います。
その為にも鍼灸師がもっとお灸の良さを伝える活動をしていければと
感じました。